アウトサイドインの直し方|カット打ちの原因4つを動画で特定して直す
「また右だ……」
練習場でも、コースのティーグラウンドでも、打った瞬間に分かるあの右への曲がり。動画を撮ってみたら、クラブが外から内へ——いわゆるアウトサイドイン軌道(カット打ち)になっていた。直そうと「インサイドから下ろせ」と言われた通りにやってみたけど、今度はダフリと引っかけが出て、結局元通り。
この記事は、そんなあなたのためのものです。
ゴルフ歴20年のほりまるも、長くこの軌道に悩みました。遠回りの末にたどり着いた結論はこれです——アウトサイドインは、ダウンスイングだけをいじっても直りにくい。原因の多くはもっと手前、テイクバックと切り返しにある。
この記事では、アウトサイドインの直し方を次の順番で解説します。
- カット打ちになる原因4つ(肩の回り方・上げ方・切り返し・右脇)
- スマホ動画1本で、自分の原因を見分ける方法
- 原因別の直し方と、家や練習場でできるドリル
▶ スライスの原因を全体から特定したい方は ゴルフのスライスの直し方 完全ガイド(30秒診断チャート付き) からどうぞ。
目次
🔍 そもそもアウトサイドイン(カット打ち)とは?
アウトサイドイン(カット軌道)とは、ダウンスイングでクラブヘッドが目標線の外側から下りてきて、内側へ抜けていく軌道のこと。ボールを斜めにこするように当たるので「カット打ち」とも呼ばれます。つまり、カット打ちの直し方とアウトサイドインの直し方は、中身は同じです。
ボールにはスライス回転がかかり、こうなります。
- ドライバーが右へ大きく曲がる(スライス)
- たまにフェースが被ると、今度は左へ一直線(引っかけ)
- アイアンは飛距離が出ず、力のない右への「こすり球」
つまり「右にも左にも行く」迷宮の入り口が、この軌道です。逆に言えば、軌道が整えば球筋の悩みは落ち着きやすくなります。
📚 アウトサイドインの原因は4つ。多くはダウンの「前」で決まっている
多くの人は「外から下りてくるなら、下ろし方を直そう」と考えます。ほりまるもそうでした。でも、これが遠回りの始まりです。
考えてみてください。トップの位置ですでに手が体の外側(高い位置)に浮いていたら、そこからどう頑張っても、クラブは外からしか下りられません。ダウンスイングは「結果」であって、外から下りるしかない準備が、その前の段階で完成してしまっていることが多いのです。だから意識だけで「内側から下ろそう」としても、体はすぐ元に戻りがちです。
準備が狂う場所は、次の4つです。
原因①:肩を水平に回して、トップで手が外に浮く

ポイントは前傾姿勢です。ゴルフの構えは上体が前に傾いています。さらに、右手がグリップの下にくる分、右肩は左肩より少し低いのが自然な形。ところが多くのアマチュアは、回るときに肩を「地面と水平」にぐるっと回してしまう。すると前傾がほどけて上体が起き上がり、肩が浮き、手が外に上がる——アウトサイドインの完成です。
本人は「ちゃんと右を向いている」つもりなのに、体は正しく右を向けていない。これがこの軌道のいちばん厄介なところです。
原因②:インサイドに引きすぎて、トップでシャフトクロスになる

「クラブはインサイドに引け」という昔ながらの教えを真面目に守った人ほど、ハマりやすい罠です。
バックスイングで手元を体の後ろ側(インサイド)に低く引き込むと、トップでクラブが目標方向よりも右を指す「シャフトクロス」になりやすい。クロスしたトップから打ちにいくと、クラブは一度外側へ回り道をしてから下りてきます。本人はインに引いたつもりでも、下りてくるのはアウトから——皮肉な逆転が起きるんです。
原因①とは逆の動きに見えますが、どちらも「トップの位置がずれて、外から下りるしかなくなる」という点は同じです。
原因③:切り返しを「左肩」から始めて、右肩が前に出る
トップから打ち急ぐ人に多いのがこれです。切り返しの最初の動きが左肩を目標方向へ開く動き(いきなり体を回す動き)になっていると、その反動で右肩がボール側へ前に出ます。右肩が前に出れば、クラブは外へ押し出される——構造的に、外からしか下りられません。せっかく正しく上げたクラブも、ここでまた外に放り出されます。
原因④:ダウンスイングで右脇が開き、手元が外へ出る
手元を外へ放り出すように下ろすと、右肘が体から離れて脇がぱかっと開きます。逆に、クラブが正しい通り道を下りているとき、右脇は自然に締まっています。つまり右脇は、軌道の「結果」が現れるインジケーター。動画で右脇が開いていたら、外から下りているサインです。
🎯 自分の原因を1分で見分ける方法(スマホ動画チェック表)
スマホを飛球線後方(ボールの後ろ)に置いて、スイングを1球ぶん撮るだけです。見るポイントは4つ。
| 動画でこう見えたら | あなたの原因 |
|---|---|
| トップで上体が起き上がり、手が体の外側(高い位置)に浮いている | 原因① 肩の回り方 |
| トップでシャフトが目標より右を指している(クロス) | 原因② 上げ方 |
| 切り返した瞬間、右肩が前(ボール側)に出る | 原因③ 左肩スタート |
| ダウンで右肘が体から離れて下りてくる | 原因④ 右脇 |
当てはまる行が見つかったら、次の「直し方」で同じ番号の手順から始めてください。いくつも当てはまる場合は、スイングの早い段階のズレが後の動きを引き起こしていることがあるので、表の上の行から順に直していきましょう。
スイング軌道の3タイプ(インサイドアウト・ストレート・アウトサイドイン)と球筋の関係は、ドローとフェードの違いの記事の「自分のスイング軌道を知る」の章で整理しています。
🪨 アウトサイドインの直し方|原因別の5つの手順
手順①〜④は、原因①〜④にそれぞれ対応しています。手順⑤は、どの原因の人にも共通の仕上げです。
手順①(原因①):背骨の角度に対して、直角に肩を回す
クラブを置いて、家でできる確認からいきましょう。
- 両手を肩に当てて、いつもの前傾姿勢をとる
- そのまま、前傾した背骨の角度に対して直角に肩を回す
- トップ側に回ったとき、「右肩が高く、左肩が低い」感覚になっていればOK
「えっ、そんなに傾くの?」と感じるはずです。鏡で見ると反っているような気さえする。でもそれが、前傾に沿った正しい回転です。肩を水平に回す癖がある人ほど、この「傾いて回る」感覚に最初は驚きます。
このとき骨盤も一緒です。肩だけ傾けて腰が水平のままだと、上下が喧嘩します。骨盤ごと傾きに参加させて、体全体が背骨の軸に沿って回るイメージを持ってください。
この「正しい右向き」を毎回再現するには、足元に置くアライメントスティックが役立ちます。足の向きと肩を回す方向の基準が一目で分かるので、練習のたびに構えをリセットできます。
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手順②(原因②):まっすぐ〜ややアウトに上げる
直し方はシンプルで、「まっすぐ、むしろ少しアウトに上げるくらい」のイメージに変えることです。インに引く癖がある人は、感覚と実際がズレています。「アウトに上げすぎかな?」と感じるくらいで、動画を見るとちょうど真っ直ぐ。これでトップのクロスが収まりやすくなり、クラブは回り道せずに下りやすくなります。
手順①のアライメントスティックを足元に置いて、テイクバックの最初の30cmでヘッドがスティックの内側へ急に入らないかをチェックすると、この癖は自分で見つけられます。
手順③(原因③):頭の位置を変えず、一拍置いて腕から下ろす
トップまで正しく上げられたら、次は切り返しです。コツは2つ。
1つ目は、いきなり体の回転(左肩の開き)から入らないこと。トップで一呼吸置いて、「上げた腕がすとんと下りてから、骨盤と胸を回す」順番に変えます。一見「手打ちでは?」と感じるかもしれませんが、左肩の開きを一拍遅らせるだけで、手元が素直に下りやすくなります。ほりまるの場合は、この一拍で軌道が大きく変わりました。
なお、腕を下ろす方向は「真下」ではなく「左斜め下」です。真下に下ろすとクラブが立ってヘッドが直線的に動き、別のミスにつながります。理由はクラブの下ろし方の記事で詳しく解説しています。
2つ目は、頭の位置を変えないこと。実は「頭が動く」のは頭だけの問題ではありません。骨盤や胸が突っ込むから、結果として頭が動くんです。頭の位置を変えない意識を持つと、土台の暴れをまとめて抑えやすくなります。
「一拍置く」感覚がつかめない人には、こんな片手ドリルがおすすめです。
- クラブを杖のように地面に立てて、左手を添える
- 右手1本で、ゆっくりシャドースイング
- このとき手と肩は動かさず、骨盤の回転だけで切り返す

「肩を我慢して、下半身から動く」順番が体に入りやすくなります。練習の最初に10回やってから打つと、切り返しの打ち急ぎを抑えやすくなります。下半身始動の理屈は下半身リードの記事でも深掘りしています。
手順④(原因④):右肘をお腹の前に通して、右脇を締めて下ろす
意識はこれだけ——「右脇を締めながら下ろす」。右肘がお腹の前を通るイメージで下ろすと、手元は自然と体の近くを通りやすくなります。
練習はタオルでできます。右脇にタオルを挟んで素振りし、落ちたら脇が開いた証拠。腕全体の一体感ごと作りたい人は、次の手順⑤で紹介する練習器具(三角先生)も使えます。
手順⑤(仕上げ):シャフトではなく「腕ごと」回して入れ替える
最後が仕上げです。インパクト前後で右手と左手が入れ替わる場面で、多くの人が手先でシャフトだけをくるっと回してしまいます。これをやるとフェースが急激に閉じて、今度は左への引っかけが出ます。
正解は、シャフトをこねるのではなく、前腕ごとゆっくり回すこと。腕全体が回れば、フェースの開閉はおだやかになり、右にも左にも散らかりにくくなります。右と左の両方のミスを減らすコツは、突き詰めるとこの一点です。
この「腕とクラブの一体感」を覚えるには、両腕に挟んで素振りする練習器具(三角先生)が分かりやすいです。手先だけでこねると器具が落ちるので、正しい入れ替えが体感できます。右脇の締め(手順④)も同時に確認できます。
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⚠️ 注意:無理に「インサイドから」を作らないこと
ここが、ほりまるがこの記事でいちばん伝えたいことです。
アウトサイドインに悩む人は「インサイドアウトこそ正義」と思いがちです。でも、形だけインサイドから下ろすと、別の苦労が待っています。インから下りたクラブは、腕の入れ替えが間に合わないとヘッドが手前に落ちてダフります。そして無理やりつかまえようと手をこね始めると、今度はフック・チーピンが止まらなくなる。
ゴルフあるあるです——始めた頃はスライスに悩み、直った頃にはフックに悩む。そしてフックの悩みは長い。最初から「軌道はほどほど、フェースの開閉はおだやか」を目指せば、この回り道を避けやすくなります。
ちなみに、ほりまるの持ち球はフェードです。軌道を完全なまっすぐにしなくても、曲がる方向と幅がそろっていれば、コースでは狙いどころを決めやすくなります。
📐 直ったか確かめる方法(答え合わせ)
カット打ちの修正は、感覚だけだと「直ったつもり」で終わりがちです。弾道測定器ならクラブ軌道(アウトサイドイン/インサイドアウト)が毎球数字で出るので、変化が目に見えて練習を続けやすくなります。
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測定器がない場合は、1回の練習ごとに「10球中、右に曲がった球が何球あったか」をメモするだけでも、前回との比較ができます。あわせて、最初と同じ位置からスマホ動画を撮り、チェック表で当てはまっていた行が消えているかを確かめてください。
🎯 一人で直す練習メニュー(練習場でやること)

- クラブなし素振り×10回:手を肩に当てて前傾→背骨に直角に回る。「右肩高く・左肩低く」を確認
- 自分の原因に合うドリル×10回:原因②の人はアライメントスティックを置いてテイクバックの最初の30cmを確認、原因③の人は右手1本の杖ドリル、原因④の人は右脇にタオルを挟んだ素振り
- スプリットハンド素振り×10回:右手と左手を離してグリップし、ゆっくり振って「腕ごと入れ替わる」感覚をつくる(離して握ると手先のこねが物理的にできなくなります)
- 5割スピードで実打:頭の位置を変えずに、上げて、一拍置いて下ろして、入れ替える。当たりよりも方向の変化を見る
- 自分の「まっすぐ」を確認:打席に入ったらまず正面の目標を決めること。意外と「右に行った」と思った球がまっすぐだったりします。基準がズレると、正しい球を「ミス」と勘違いして迷宮に戻ります
スピードを上げるのは最後です。3割→5割で方向が安定してから。飛距離はその後で十分です。振り幅を小さくすると、軌道の変化を確かめやすくなります。ほりまるも90切りを目指したときは、時計の針でいう3時→6時→9時のハーフスイング練習をくり返していました。
練習全体の球数の配分は、100切りの練習メニュー(打ちっぱなし90球の配分)を参考にどうぞ。
🏌️ どうしても一人で直らないときは
ここまでのドリルで変化が出る人もいますが、正直に言うと——自分のスイングのズレは、自分では見えないのも事実です。「右を向いているつもり」と「実際」の差は、鏡やスマホ動画でも限界があります。
そこで効くのが、シミュレーターで軌道を数字で見ながら、プロに一度だけ診てもらう方法です。変な癖を上塗りして長いフック悩みに入る前に、入口で軌道を整えてもらうほうが、結果的に近道になることがあります。
👉 その前に——独学で何度試しても同じミスが直らないなら、「独学の限界」かもしれません。レッスンを検討すべきサインと、自分に合うスクールの選び方をこちらの記事にまとめました。まず読んでみてください。
- RIZAPゴルフ(無料カウンセリング)(全国・スコアにコミットする本格指導)
- GANTT GOLF(ガントゴルフ)の初回診断レッスン:データ計測つきでスイングの現在地が分かる(東京圏)
- TOKYO INDOOR GOLFの体験レッスン:コーチ付きのインドアレッスン(東京圏)
- FiT24インドアゴルフ:全国展開・24時間ジム併設で通いやすい
インドア練習の活用法は雨の日のゴルフ練習の記事でも詳しく書いています。
❓ よくある質問
Q. 結局、インサイドアウトに振るべきですか?
A. 無理に作る必要はありません。目標は「ほどほどにまっすぐな軌道+おだやかなフェース開閉」。極端なインサイドアウトはダフリとフックの種になります。
Q. 直し始めたら左に行くようになりました。悪化ですか?
A. むしろ前進のサインです。外から来なくなった証拠。そこで手のこねを抑えれば(手順⑤)、左へのミスも減りやすくなります。
Q. シャフトクロスは絶対に直すべき?
A. プロにもクロス気味の選手はいるので「絶対悪」ではありません。ただ、クロスが深いほどタイミングでつじつまを合わせる必要があり、練習量の少ないアマチュアには再現性の面で不利です。「真っ直ぐ目のトップ」が安全です。
Q. 「ややアウトに上げる」で本当にアウトに上がりすぎませんか?
A. インに引く癖がある人は、感覚が「イン寄り」に校正されてしまっています。「ややアウト」と感じるくらいでちょうど真っ直ぐになることが多いです。必ずスマホ動画で実際の位置を確認してください。
Q. どれくらいで直りますか?
A. 軌道の感覚自体はその日のうちに変わる人もいますが、コースで無意識にできるまでは数週間〜数ヶ月かかることが多いです(個人差があります)。雨の日や自宅でのクラブなし素振りを混ぜると定着しやすくなります。
Q. ドライバーだけスライスするのはなぜ?
A. 長いクラブほど軌道とフェース向きの誤差が拡大されるからです。7番アイアンで軌道を整えてからドライバーに移ると、修正しやすくなります。あわせてスライスしにくいドライバーの選び方を読むと、道具側からも曲がりを抑える方法が分かります。
🌅 まとめ:動画で原因を1つ見つけて、そこから直す
アウトサイドイン(カット打ち)の多くは、ダウンスイングのミスではなく、その前の準備のズレから起きています。
- 原因①:肩が水平に回る → 背骨の角度に対して直角に回る(右肩高く、左肩低く)
- 原因②:インサイドに引きすぎ → 「まっすぐ〜ややアウト」に上げる
- 原因③:左肩から切り返す → 一拍置いて、腕から「左斜め下」へ下ろす
- 原因④:右脇が開く → 右肘がお腹の前を通るように締めて下ろす
- 仕上げ:シャフトをこねず、腕ごと入れ替える
4つ全部を一度に直す必要はありません。スマホ動画で自分の原因をひとつ特定して、そこから直す。そして無理にインサイドを作らないこと——それが、長いフック悩みを回避する近道です。
次の練習場で、まずクラブを持たずに10回。「思っているより傾いて回る」あの感覚をつかむことが、ティーショットの方向を整える第一歩になります。フェアウェイから打つ2打目は、バーディーへの最短ルートです🦅![]()
